【アステリズムに花束を】を、読み終えた私の率直な感想である。
ハヤカワ文庫が満を持して、刊行した【アステリズムに花束を】
百合×SFという分野において、たしかに、金字塔になる一冊だろう。
9つの作品が収められている。
『SF』と、ひと括りにしても、宇宙を舞台にした分かりやすいSFものから、時代小説を彷彿とさせる、怪異小説に近いものまである。そのうえ、マンガさえ入っているから、この文庫の層の厚さがわかるというものだ。
さて、何に困ったか。
それは『百合』の部分である。
ぶっちゃけていうと、この本で、はっきり恋愛感情が描かれているものは、ほとんどない。
恋愛じゃない。だけど、確実に百合である。
だから、困ったのだ。
百合という分野は、もともと幅が広い。
人によっては、百合なことも、人によっては、百合じゃなくなってしまう。
この【アステリズムに花束を】は、そういう意味で問題作だ。
百合とSF。
この2つを果敢に推してくる、ハヤカワ文庫の健闘を讃えたい。
百合好きに告ぐ。
この本は、あなたが求める百合が入っていないかもしれない。
だが、今まで見たことない百合が入っているかもしれない。
どう受け取るか、それはあなたの百合次第だろう。
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