百合好きならば一度は通る道。

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「マリア様がみてる」

カトリック系女子高に夢を抱かせた作品です。

忘れもしない、百合姫がまだ百合姉妹だった頃

特集ページに「百合な女子高ランキング」なるものが掲載されました。

人生共学で過ごしてきた私は、関東の女子高なんぞ夢のまた夢。

完璧想像で補わせていただきました。

閑話休題。

百合文化の隆盛を作ったと言ってもいい「マリア様がみてる」

今日は、恐れ多くもその作品を考察したいと思います。

「マリア様がみてる」とは?


1998ねんから2012年まで刊行されたシリーズでございます。

主人公・福沢 祐巳が私立リリアン女学園に入学するところから話は始まります。

リリアン女学園は明治から続く幼稚園から大学まである「お嬢様学校」です。

生徒の代表は「紅薔薇」「黄薔薇」「白薔薇」と呼ばれており、薔薇の館という場所で活動しています。

ここにはスール制度と呼ばれる特殊な先輩後輩関係があります。

祐巳ちゃんには憧れの先輩小笠原 祥子がいて、タイを直してもらったことから、彼女とスールを巡るごたごたに巻き込まれていくのです。

と、ここまでが第一巻ですね。

第一巻で二人はスールになりまして、祐巳が三年生になるまで発売されております。


〇スール制度って?

フランス語で「姉妹」を意味する言葉です。

姉が妹を導くように後輩を指導する、ということでこの名前がついているようです。

すっごく仲の良い後輩をスールにして、仲良く学園生活を送るわけです。

一応儀式として、ロザリオを渡して受け取ってもらえたらスール成立となります。

リリアン女学園では基本的に先輩は「様」、同級生・後輩は「さん」付なのですが、姉妹のみ先輩は「お姉さま」と呼ぶことになります。
 
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〇「紅薔薇」「黄薔薇」「白薔薇」って何?

生徒会長の別名みたいなものです。

基本的にスール制度で世襲されるのですが、選挙も一応存在しています。

それぞれの薔薇様(三年生)とその姉妹たち(二年、一年)の計9人が最大人数になります。

この三薔薇の妹は「紅薔薇のつぼみ」「黄薔薇のつぼみ」「白薔薇のつぼみ」となり

さらにその妹は「紅薔薇のつぼみの妹」「黄薔薇のつぼみの妹」「白薔薇のつぼみの妹」となるわけです。

見ているだけで、早口言葉のようですね。

作中ではこれがさらにカタカナになり

「紅薔薇」 ロサ・キネンシス
「黄薔薇」 ロサ・フェティダ
「白薔薇」 ロサ・ギガンティア

「紅薔薇のつぼみ」 ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン
「黄薔薇のつぼみ」 ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン
「白薔薇のつぼみ」 ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン

「紅薔薇のつぼみの妹」 ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン・プティ・スール
「黄薔薇のつぼみの妹」 ロサ・フェティダ・アン・ブゥトン・プティ・スール
「白薔薇のつぼみの妹」 ロサ・ギガンティア・アン・ブゥトン・プティ・スール

となるわけです。

お嬢様ってすごいね。
私だったら絶対舌を噛みます。

この九人で生徒会=山百合会として活動していくわけです。

百合としての扱い


百合文化の隆盛を担った「マリみて」

意外なことに、作者は「百合」として書いていたわけではないとおっしゃっております。

女の子の青春学園物を書いたら、こうなったと。

「マリみて」に出てくるキャラクターたちは、スール同士仲がいいですが、きちんと彼氏がいたり、婚約者がいたりする人物もいます。

その上で、それでも、私は声を大にして言いたい!

「これは紛れもない百合作品である!」と。


1、スールの絆は何よりも強し

メインで扱われるスールは赤・黄・白の三組です。

一番多いのは、やはり主人公の祐巳が属する「紅薔薇」スールですが、黄色、白も負けずに個性的!

それぞれの絆が、いろんな話で書かれているのが、この小説の何よりの魅了でしょう。

スール制度は大方の人間に未知の世界です。

そのスール達が繰り広げる、スールになるまでの話が百合と言わずして何になるのでしょう。

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(アニメではこの距離間)



2、祐巳ちゃん、モテモテ

主人公の祐巳ちゃんはモテまくります。

語弊のある言い方かもしれませんが、モテモテです。

姉である祥子さまは神回である「パラソルをさして」

「あなたが好きなの」

とこれ以上ない告白をしてくれます。

打ちひしがれて、家族にも心を開かないような状態で、です。

もう、この場面に百合を感じない人は、百合脳が欠損していると思われるので、別の畑に顔を出すべきですね。

そう言えるくらい、百合のなんたるかを感じる場面であります。

祐巳ちゃんは先輩方にもモテモテです。

祥子さまの姉である蓉子さまをはじめ、白薔薇だった聖さまはスーパーヒーローのように祐巳ちゃんを助けてくれます。

二次では祥祐派より聖祐派が多いように感じられるほどです。

基本的に無関心な黄薔薇・江理子さまだって、面白がっています。

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同級生たちにもモテています。

最初から登場している蔦子さんはもちろん、由乃さん、志摩子さんも中々いい百合的友情を醸し出しています。

後輩勢も忘れてはいけません!

個性がありすぎる、山百合会の中で、平凡な祐巳ちゃんが可愛がられているわけです。


3、結婚しても、続きそうな関係

百合を語る上で、外せないポイント「結婚」

お嬢様学校であるリリアン女学園では婚約者なるものがすでにいる人物もいます。

いいとこのお嬢様である彼女たちには、卒業して、結婚して、いい奥さんになることが望まれているわけです。

結婚したらスールは関係なくなってしまうのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

彼女たちは卒業後も精神的にスールであり続けるのです。

「私は卒業しても一生、祥子のお姉さまなの」

かの紅薔薇様もこう言っています。 

姉妹という言葉に表されるように、スールは恋愛感情を示す言葉ではありません。

強い先輩後輩の絆を示すのみです。

彼女たちは結婚しても、子供ができても、年をとってもスールとして関係を続けるのです。

ある意味、何よりも強い関係だと思います。

実際、単行本の中には、卒業後もスールの関係が続いているような組み合わせが出てくる短編などもあります。

高校生という一番悩み多き時期を助け合って過ごした絆は、その後も変わらないと信じております。

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〇まとめ

「マリア様がみてる」を男が出ているという理由だけで百合に含めない人もいます。

作者さん自身も「百合だとは思って書いていない」と言っています。

それでも、私たち百合脳を持つ人間にとって、「マリみて」はこれ以上ないほど心の栄養になることでしょう。

マリみてを楽しめなかった人は百合脳を得るのが難しいかもしれません。


結論
 
「マリア様が見てる」は百合のバイブルである。



*ファス*