
↑五巻表紙:掴みかかられながらも笑顔のユキ
今日、紹介するのは「彼女とカメラと彼女の季節」ですっ
百合好きならすでにチェックしているとは思いますが、私もこの間、5巻全てを続けて読み終えました。
以下、感想になります!
*注意
独断と偏見
百合を多く含みます
「彼女とカメラと彼女の季節」 著:月子 全五巻

↑一巻表紙
〇ざっくり紹介
・岩手・盛岡が舞台
描写がとても綺麗です。
最初、盛岡だと知らずに読んでいました。
途中の背景で「あれ、これ盛岡じゃない?」と思い、確認したらやっぱりそうでした。
舞台が盛岡なのが、また上手い。
東北生まれで東北育ちの私は盛岡にもよく行っています。
土地それぞれの空気って、やっぱりありますよね。
東京に行くのと盛岡に行くのは、当然ですが、全然違います。
その中でも、盛岡っていうのは、すごく雰囲気がいい街です。(管理人的に)
同じ東北でも、仙台とはまた違う独特の重さがあります。
その密閉感が、百合という世界に非常にマッチしています。
そして、岩手には美人が多い。
少なくとも私の友達で岩手出身の子は皆、美人!
(今は関係ないですね)
・高校三年生である、あかり、ユキ、凛太郎の青春を描きます
これが、この話の面白さでもあり、百合的注意事項でもあります。
この作品は”あかり⇒ユキ⇒凛太朗⇒あかり”の救いのない三角関係が描かれた漫画です。
・百合に男が混ざるのは無理。
・三角関係は見れない。
・女だけの夢空間しか受け付けない
という方は、非常に残念ですが、おススメできません。
とても丁寧に人物の描写がされている作品になります。
最初こそ、主人公:あかりの視点で進むため周りの人物は謎めいています。
あかり、ユキ、凛太朗の三人が、それぞれをどう思って、どうなりたいのか、一歩も逃げることなく描かれています。
何で好きか、どうなりたいのか、好き以外の感情も見物です。
読み終わりは「すごい」の一言です。
百合漫画、としてだけでなく、純粋に漫画としてもおススメできます。
百合的見物
最後までどうなるかわからないハラハラさはありますが、それは恋愛漫画の醍醐味でしょう。
その中で百合的ポイントを挙げるとすると
1、深山あかりの一途さ
2、青春らしい感情のぶつかり合い
3、三人とも片思い
でしょうか。
一個ずつ見ていきます。
1、深山あかりの一途さ
主人公:深山あかりは、高校3年生にもなって進路さえ考えたことのない、ぼうっとした人間です。
周りからはみ出ないように、息苦しささえ感じながら、今まで生きてきました。
その中で一緒のクラスになったユキは、まるで別の世界を生きているように綺麗に感じます。
ぶっちゃけ、一目ぼれ。
最初こそ、綺麗なユキに対する憧れですが、仲が深まるにつれ、どんどん欲求が深まります。
・憧れ
・親友
・恋情
・ユキの世界に入れてほしい
・ユキの瞳に自分だけ映してほしい
・ユキの全てが欲しい
進路さえユキの影響で決めます。
あかりの凄さは「その全てから逃げない」ことですね。
今まで普通にこだわって生きてきた人間が、いきなり同性を好きになったら戸惑います。
あかりは、その段階をすっ飛ばして、純粋に好意をユキにぶつけます。
自分の感情=ユキを好きだと自覚してから、ユキに好かれるためには何でもします。
いやー、すごい。
今の恋愛のボーダレス化を目の前で見せられている気分です。

↑左:三巻表紙 なんと百合百合しいポーズでしょう

↑三巻裏表紙 「彼女のために、彼女は演じる」
2、青春らしい感情のぶつかり合い
あかりの感情は強すぎて、また綺麗すぎます。
あかりはユキが好きで、ユキの視線や感情が凛太朗に向いていることに気づきます。
ユキは凛太朗への感情を最初、認めようとはしません。
これがあかりの目には逃げに映ったのでしょう。

「ユキはずるい!」
と、感情そのままぶつけていきます。
すごく青春らしい恋愛です。
若いころの恋愛って、ありのままを受け入れる、というより、自分のイメージと恋愛しているようなところありませんか?
あかりは、ユキに対して憧憬を持ちすぎています。
だから、ズルいとか、逃げてるとか、そういう面を見てしまうと怒りたくなってしまう。
若さってすごい。
すごい自分勝手で、だから綺麗です。
ユキにしてみればいい迷惑なのかもしれませんが、あかりの好意はそんなもの超えています。
たぶん、ユキよりあかりのほうが、ユキ自身のしたいことを分かってあげてる気が。
ユキは性格的に、自分に素直じゃないんですよ。
諦めるポイントを探しているというか、傷つかないように生きているというか。
あかりもある意味そうだったんですけど、そんなのどうでもよくなるくらいユキが好きなんですね。
ユキがして欲しいなら、凛太朗とも付き合う。
ユキに撮ってもらえるなら、何でもする。
そういう気持ちがずっとあります。
そのくせ、凛太朗の人の好さに寄りかかっている自分に自己嫌悪したり。
青春恋愛ってこんな感じだったなぁと懐かしい気持ちになれること請け合いです。

3、三人とも片思い
物語の核はこれですね。
最初こそ、あかり⇒ユキの関係だけでした。
その後、凛太朗⇒あかりが徐々にわかり、あかりがユキ⇒凛太朗に気づきます。
どこも繋がらない三角関係です。
全員が全員、自分の気持ちしか大事にしないっていうのも面白い。
三人とも、好きを誤魔化せない性格です。
好きだから何でもできる。何を言われても構わない。
だけど、相手を傷つけたりされるのは大嫌い。
それぞれの気持ちが強い分、行動も結構大胆でドキドキする場面も多くあります。
このすれ違いの三人の恋がどう終末を迎えるか、一番の見どころです。
ぜひ、自分の目で確かめてください。
・
・
・
とは言え、百合漫画して紹介してますし、ざっくりと。
・凛太朗⇒あかり
凛太朗は、今どきの少女漫画でも中々見ない程の好青年でした。
あかりのユキへの想いに勝つことはできず、別れることになります。
あの場面で「ごめん。凛太朗のこと好きじゃない」と言えるあかりも凄いですし、
「うん、わかった」で止まって「別れよう」と言える凛太朗も凄いです。
・ユキ⇒凛太朗
ユキの誘いに乗ったかと思った凛太朗。
しかし一歩手前で踏みとどまります。
理由も、ユキに慰めてもらおうって考える自分がすごく情けない、ってどんだけー。
ユキは嫌がってないし、してやればいいのに、と下世話に考える自分もおります。
百合漫画にでてくる男の子としては満点の存在だったと思います。
・あかり⇒ユキ

唯一、ここが報われました。よかったね、あかり!
想いから逃げなかったあかりが勝ったってことですかね。
まぁ、東京まで追いかけて、事をなす行動力はびっくりでございます。
あ、致してる描写もございますので、苦手な方はご注意を。
ただ、ユキの性格か、そのまま幸せにはなりませんでした。
カメラマンとしての夢を追いかけるために、イギリスへ飛び立つユキ。
将来、再会した後の二人がとても気になります。
〇百合的結論
・あかりが報われて良かった。
・卒業式のシーンが感動的
・将来の描写があるのも〇
百合好きは一度は読むべき作品ですね。
ここまで複雑に恋心を絡ませて、解消させた作品は中々見ません。
【中古】 【コミックセット】彼女とカメラと彼女の季節(全5巻)セット/月子 【中古】afb
↑中古でいいなら、ここが一番安いですね
*ファス*