今日は森永みるく先生の「くちびるためいきさくらいろ」を紹介します!
いやはや、まだ紹介していなかったことにびっくり
 
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2012年刊行の全二巻のシリーズです。
内容は表紙である「奈々×瞳」を中心としたシリーズ短編で構成されています。
帯に書いてある通り「森永みるく百合漫画の原点的作品」になります!

私は百合入門漫画として「GIRL FRIENDS」を推しています。
しかし、「くちびるためいきさくらいろ」も負けてはいません。
百合の濃度で言えば、こっちのほうが濃いくらいです。

「GIRL FRIENDS」が最初は女の子の友情だったのに対して、「くちびる~」は真っ向から百合ですからね。
最初の一話から物語に引き込まれること請け合いです。


目次
〇あらすじ
〇おすすめ内容
1、女子高生百合の王道!
2、短編のおすすめは?
3、学生百合の葛藤、萌えどころ


*注意
ネタバレがあります。
百合的独断と偏見に溢れています。



あらすじ&登場人物


〇あらすじ
・瞳と奈々シリーズ
「ともだちじゃなくても」
「くすりゆびにキスしたら」
「チョコレート キスキス」
「月に願いを」

一巻に収録されています。
ここまでは百合姫で見させてもらってました。
私が森永先生にはまった原因でもある二人の物語が完結して、本当に嬉しかったのを覚えています。

「ないしょの恋人」
「クラスメイト」
「嵐の前」
「本気の家で」
「わたしたちの物語」

二巻に収録分です。
あとがきにも書いてありますが、絵がかなり違います
発売されたのが2012年なのですが、一巻収録分が連載されていたのが2003年のものなので、大分期間が空いてます。

「天国に一番近い夏。」
保健室の先生のと彼女に恋してた幽霊の話。
いやぁ、淡い思い出が現在につながるっていいですね。

「キスと恋と王子様」
演劇部の先輩後輩の百合。
天然だけどカッコいい先輩と振り回される後輩。
初々しくてよろしいですねぇ。

「いつかのこのこい。」
切ない。
百合で外せない、消えていった、実ることのない恋の話です。
その分、一生ものの想いが残ります。

「くちびるにチェリー」
同級生百合。
どうなったのかがすごく気になる終わり方をします。
できるならば、性別を超えた恋が実って欲しいです。

「ホントのキモチ」
純情乙女な先輩とイケイケ可愛らしい後輩の話。
溺愛されていて、ほっこりします。


おススメ内容


1、奈々と瞳シリーズの完結編!

森永先生の作品と言えば「GIRL FRIENDS」を推しまくっている私ですが、「くちびるためいきさくらいろ」はその原点ともいえる作品です。
特に9話収録されている奈々と瞳のシリーズは、おススメ!

このシリーズを最初に見た時のことを今でも覚えています。
百合姉妹(百合姫の前進)で読んだのですが、「自分の探していた百合はこれだ!」と思った衝撃作です。
一話の始まりが少し悲しめの分、最後にはくっついてくれて、すごくにやにやしたのを覚えています。

今回収録されているのは以下の話です。
一言感想を添えておきます。

「ともだちじゃなくても」
奈々は中学の時の夢を見る。
それは幼馴染で親友の瞳を思い出すからで――。

切ないから始まって幸せに終わる百合。
始まりの物語です。
タイトルで萌えますよね。

「くすりゆびにキスしたら」
付き合い始めた二人の生活。
いちゃいちゃと不安。
それでもこの恋は本物だと確信している奈々。

「チョコレート キスキス」
バレンタインデーの話。瞳の想いの強さ、長さがわかる。

「月に願いを」
瞳の不安。けれども譲れない願いと大切なもの。
自分の一番大切なものがわかっているのは、いいことでもあり悲しいことでもあります。

「ないしょの恋人」
全然ないしょにしてないですけど!
いちゃいちゃしっぱなしですけど!
二人の関係がバレ始める話です。

「クラスメイト」
奈々が瞳の学校に潜入する話。
いちゃいちゃっぷりがシリーズ最多。

「嵐の前」
奈々と付き合っていることを瞳が友人に打ち明ける話。
一山越えたと思ったら、また一山来ます。

「本気の家出」
父親の海外転勤に反対して家でする瞳。
心配で瞳についていく奈々。
……中身は新婚旅行ですけどね。

「わたしたちの物語」
奈々を守りたい瞳。
自分が奈々をこっちに引っ張り込んだという思いから、瞳が暴走してます。
奈々はそんな瞳を捕まえて、自分の気持ちを話します。
ハッピーエンドでよかった!

全然、一言じゃないのはご愛敬。
だって、このシリーズが完成するなんて思ってなかったんですよ。
そしてら単行本で出て完結するって聞いて、当時小躍りしたのを覚えてます。


2、短編のおすすめは?

切ない系でいくなら「いつかのこい。」
コメディ系でいくなら「ホントのキモチ」
続きが気になるのは「くりびるにチェリー」

……全部おすすめですよ、ぶっちゃけ!
自分の好みに合った話を買って探せばいいと思う。

この単行本に入っている話って、設定が繋がっているんですよ。
全部、奈々が通う「桜海女子中学高等学校」の生徒の話になっています。

つまり、あの先輩も、この後輩も、同じ学校に在籍しているわけです。
どんだけ百合天国な学校なんでしょうか。
うらやましい。


3、学生百合の葛藤、萌えどころ

もう何回も同じことを書いていて、しつこくなってすみません。
学生だからこその純情さが一番の売りですね。
誰もが自分の初体験のキモチに戸惑って、受け止めて、消化していきます。
それが告白になるのか、人知れず消していくのかは話によって違います。

でもねぇ、過ぎていった時間を考えると「学生」って特別なんですよ。
一番きらきらしてる、多感な時期です。
その時期の女の子同士のきらめきを味わえるなんて、それだけで百合の醍醐味ですよ!

特に森永先生の描く百合はプラトニックにとどまりませんから。
きちんと付き合うことの発展先があります
これって結構衝撃的なことでした。


まとめ


百合でにやにやしたい人は読みましょう。
ええ、この記事を書くために読み返して、そのままニヤニヤの無限ループに入った人が言うんだから間違いありません。

片思いの切なさも、隠さなきゃいけない葛藤も、失ってから気づく好きという感情も。
百合で味わいたい感情の大抵がこの本には入っています



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*ファス*