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百合というには切なすぎる。
レズビアンというと差別的な要素が入る。
 
女同士の関係を表すのって本当に難しいですよね。
今日紹介する「想いの欠片」第一巻はまさにそんな表現が似合う本になります。

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想いの欠片第一巻表紙(C)竹宮ジン/白泉社
以前、「Girlish Sweet」の紹介もさせてもらっています。
その時にも書いたのですが竹宮先生は本当に上手に話をまとめます。
今回のお話も高岡ミカという「同性しか好きになれない女子高生」を中心とした話なんですが、めっちゃ面白い!

レビューの中にも「これは百合ではなくレズビアンの話だ」というような感想も見受けられます
同性しか好きになれない人間が、どういうことに傷つき、青春を過ごし、生きているのか。
リアルに感じられる一冊です。

また「Love&piece」という別シリーズも入っています。
ミカの通う喫茶店のマスターの過去と現在の話ですね。
こっちも面白い。二つ合わせて読むことで面白さ倍増です。

この楽しみがあと2巻分あると思うと嬉しくて仕方ありません。
今ならkindleで半額で売ってるから買いましょう!
(私は倍払って買いましたよ、ええ)


[まとめ買い] 想いの欠片(楽園コミックス)



目次
〇ダイジェスト
〇おすすめ内容
1、「恋をするなら「女」じゃなきゃダメなだけ」
2、ブラコン美少女の恋
3、大人たちの不思議な関係
〇まとめ
〇関連記事

ダイジェスト


〇想いの欠片
高岡ミカとその周りの人物で描かれるお話。
一巻には1~5piece入ってます。

1、同性しか好きになれないミカと自分のセクシャルについて悩む人妻の話。
「同性しか好きになれない」ということについて考えさせられるお話。

2、ミカの過去話。どう成長して、どう傷ついて、どう出会ったか。
色々言いたいことはあるんですが、とりあえず「自分もそんな美人の家庭教師が欲しかった!」とだけ言っておきます。

3、ゲイの同級生「原田くん」登場。でもそれより原田くんの妹が美少女すぎて……。
同じ悩みを持つ正反対の二人の会話が心に残ります。

4、原田の妹「マユ」が動き始めます。
美少女ってとこに目が惹かれますが、この子、かなり熱い子ですね。

5、マユの恋の自覚。「うわ、ここで切るのか!」と二巻が欲しくなること請け合いです。
(まさしく、その罠に引っ掛かり購入しました)

〇Love&piece
上が学生百合だったら、こっちは社会人の重さと面白さを感じる作品。
話の内容的にも結構ドロドロしてます。
色々あって傷つけて、親友になって、同居していて、でも付き合っていない。
不思議な関係が甘く見れます。


おすすめ内容


1、「恋をするなら「女」じゃなきゃダメなだけ」

これを取り上げずに、この一巻の何を取り上げることができるだろうか!
「想いの欠片」第1巻で一番納得してしまったセリフになります。
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(C)竹宮ジン/白泉社
セクシャルマイノリティを端的に表しています。
同性に恋をするって難しいことですよね。
それこそ百合漫画界隈では、普通に受け入れられて、普通に女の子しかいない日常が描かれる漫画もたくさんあります。
私も大好物です。
百合を語る上で避けて通れない現実が「レズビアン」
いわゆる「セクシャルマイノリティ」の話になります。

竹宮先生のお話は、ここをすごく上手く描いています。
「なんで同性を好きになるのか?」
「なんで同性じゃないとダメなのか?」
そこをここまではっきり、すっきり答えてくれる作品って珍しいです。

シリアスな百合好きな人はもちろん、今まで敬遠していたという人にも読んでもらいたい一冊になります。
よく言われる言葉ですが、異性を好きになることを「どうして?」って聞く人いないですよね。
顔が好き、性格が好き、声が好き……人を好きになる理由はいっぱいあります。
ただ「どうしてその性別が好きなの?」とは絶対聞きません。
この感覚を理解できるか、共有できるかが「セクシャルマイノリティ」の理解に大きく差が出るところだと思います。

……珍しく、まじめに語ってみました。


2、ブラコン美少女の恋

さて原田くん(ゲイ)ミカ(ビアン)が仲を深めているところに登場するのが原田の妹「マユ」です。
いや、もう、美少女すぎて。
ブラコンとか、いきなりすぎる登場とか、全てどうでもよくなる美少女っぷり。

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(C)竹宮ジン/白泉社
ハーフツインが似合う美少女は天使

最初はただ原田くんのキャラを深めるための登場かと思いました。
兄がゲイと知ってどういう反応になるかを、わかりやすく描いています。
原田くんのようなイケメンで人当たりの良い兄がいたらブラコンにもなりますよ。
原田くん自身もシスコン気味だし。

ですが、そこで終わらないのが竹宮先生です。
このマユちゃん、素直で熱い性格をしています。
外見ヒロインだけど中身ヒーローです。

ミカの言葉を素直に聞いて、兄との関係も修復し始めているようですし。
5Pice目では、ずっと否定し続けていた想いを自覚します。
認めたくなくて、認めざる得なくて、モヤモヤして。
「恋してる」ときめきに共感大。
ただ相手が問題なんですけどね。

1巻が「マユの恋の自覚」と共に終わるので、2巻が気になって仕方ありません。
「試しに一巻だけ……」なんて甘い気持ちで、この本を買ってはいけません。
確実に3巻まで買うことになるでしょう。
ええ、経験者は語るのです。


3、大人たちの不思議な関係

主に出てくるのは「Love&piece」ですが、「想いの欠片」でもカフェのマスターである松本タカコさんは登場します。
このタカコさん「ユイ(親友)がいつでもコーヒーを飲めるように」と喫茶店を始める強者です。
もう、この時点で私の中での萌えポイント突破してます。

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(C)竹宮ジン/白泉社
親友で同居人。だけど付き合ってはいない。

女同士の距離感って不思議なんですよ。
女の子って別に付き合ってるわけでもないし、自分のものでもないのに「独占欲」に近いものが湧くときがあるんです。
この二人も付き合っていないし、同居しているだけでも、きっと「特別」には違いないわけです。
まぁ、出てくる話がすごすぎて、それどころじゃない二人なんですが。

タカコの「ユイ大好き」っていう感情がすごくにじみ出てます。
ちょっとした表情とか、日常の話とか、全てがそれを物語る。
……付き合ってなくても、この二人が一番このサイトの百合に近いのかもしれません。


まとめ


一巻が面白すぎて長くなりました。
2、3巻はもうちょっとコンパクトにまとめる予定です。

・ちょっとシリアスな百合が読みたい人。
・セクシャルマイノリティについて考えたい人。
にはぜひおススメしたい本ですね。

ここまで読んでくださりありがとうございました!


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