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熱かったと思ったら、寒くなり、このまま梅雨に突入しそうな気配を感じている今日この頃。
みなさん、どうお過ごしですか?
私はいつも通り百合に塗れる生活を送っているのですが、どうにも筆が進まず、しばらくのんびりやっていくと思います。

今日は雨隠ギドさんの「終電にはかえします」をご紹介。


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(C)雨隠 ギド/新書館
「終電にはかえします」より

この本、この間紹介した「あさがおと加瀬さん」とは対称的な内容になっております。
あっちが甘い砂糖菓子みたいな百合だとしたら、こっちは贅沢抹茶あんみつって感じです。
……ええ、わかりにくくてすみません。
思春期の女の子の感情の揺れを「これでもか!」というくらい多方面から描いている単行本になります。
基本読み切りなのですっきり。でも続きが気になる百合話がいっぱいです。

では、いつものように少しお付き合いください。


目次
〇ダイジェスト
〇おすすめ内容
1、表題作が良い!
2、素晴らしき百合△が見られる
3、思春期の多様性
〇まとめ
〇関連記事

ダイジェスト


「ひらがな線、あいう駅より」
ミスコンで優勝して玉の輿に乗る野望を持った先輩が、電車でヤンキーな後輩と仲よくなる話。
ポップな印象。

「終電にはかえします」
上の続き。先輩が卒業するにあたって一緒に出掛ける二人。

「少女プラネタリウム」
クラスでは浮いている少女が気になる女の子の話。
プラネタリウムと女の子は似合う。

「一瞬のアステリズム」
素晴らしき百合△が見られる短編。
ある意味百合の極致。

「永遠に少女」
幽霊と一人の女の子の人生。
タイトルが響く。好みのお話でした。

「大人の階段の下」
お姉ちゃんとお姉ちゃんの友人と妹。
姉妹は好みも似るものなのか。じんとします。

「少女星図」
書き下し。「少女プラネタリウム」の世界。
短いがぎゅっと萌え分が詰まっている。


おすすめ内容

1、表題作が良い!

「ひらがな線、あいう駅より」
「終電にはかえします」

この二つが表題作のシリーズになります。
上で書いた通り、「ミスコンで優勝して玉の輿乗る」という野望を持っていた女の子(玉の輿を夢見るだけあって可愛らしい)が通学電車の中でヤンキーの後輩と仲よくなる話です。
このシリーズに出てくる先輩も後輩も可愛くて仕方ない!


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(C)雨隠 ギド/新書館
「終電にはかえします」より

このコマを見た時、びっくりするくらいびっくりしたんです。
日本語がおかしいって?まぁ、そうですね。
でもね、このコマのインパクト凄くないですか?
先輩が「可愛い!」って気持ちを溢れさせているのに、これ以上的確な表現ありますか。
シンプルでありながら、何よりもキャラクターの心情を表現できるこのコマに衝撃を受けたんですよっ。

話の内容もここから急転直下していきます。
最初は「玉の輿」狙いだった先輩が後輩と一緒にいることで、どう変化するか。
後輩がどんな想いで先輩と一緒の時を過ごしていたか。
是非、ご自分の目でお確かめください。


2、素晴らしき百合△が見られる

「一瞬のアステリズム」
この話は三人の女の子がメインの話になります。
お互いがお互いに片思いしているという、いわゆる「救いのない三角関係」です。
百合でこの関係性と言えば、この間完結した「ななしのアステリズム」
あちらも絡まる百合の関係がハラハラドキドキをもたらしてくれるいい百合作品に仕上がっております。

閑話休題。

さて、今回注目したいのは「百合△」
百合において三角関係は「よくある」わけではないですが……「まぁまぁ」多く見られる作品になります。
私が百合の三角関係において特徴的だなと思うのは「三角関係のまま幸せになる」パターンがあることです。

これって、女の子が三人いるっていう絶妙なバランスがあるからこそ成り立つ関係だと思いませんか?

ヤオイで三角関係が、三角関係のまま成り立つってないですよ。普通の男女もしかり。
どうしても受け攻めができてしまう分野で三角関係が三角関係のまま成り立つことはないのです。
「必ず、どこか一辺が崩れて誰かが負ける」
それが三角関係の定番でした。

でもね、百合だと、その力関係のまま保存されるという奇跡が起こり得るんですよ!


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(C)雨隠 ギド/新書館
「終電にはかえします」より

受け攻めがない百合だからこその発想と距離感です。
そして、それを許す女子特有の完成。
これぞ百合だからこそできる関係性だと私は思います。

もちろん、この後もこの綺麗な三角形が保たれるとは限りません。
誰かが誰かを独占したくなるかもしれないですし、別に好きな人ができるかもしれない。
それでも彼女たちがこういう関係を選んだと言うこと自体に百合の特殊性を見ることができると思います。


3、思春期の多様性

純粋な百合から三角関係まで。
友情から先輩後輩まで。
思春期の揺れる女の子たちの感情を、すごく綺麗に描いています。

恋のトキメキとか甘さは少ないかもしれません。
その分、恋の切なさきゅんと来る感じが詰まった一冊になっていると思います。
私が一番ツボに入ったのは、このシーン。


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(C)雨隠 ギド/新書館
「終電にはかえします」より

この思考が、もう面白い。
可愛さを極める気だった先輩が「ついてたら使ったのかな」と自然に思えるほど、後輩に恋しちゃっているわけです。
ミスコンで優勝できる可愛さを持った先輩ですが、中身はかなりの肉食系。
(いや、「ミスコンで優勝して玉の輿」っていう野望を持っている時点で肉食系か)
これに対して、ヤンキーに見えた後輩が実は純情だったり……表題作はやはり表題作としての力を持っています。
百合好きにはたまらないシーンが多く詰め込まれていると思いますので、ぜひ、ご自分の好きなシーンを探してみてください。


まとめ


女の子同士って、いいよね。

それを再確認できる一冊です。
ただ甘いだけじゃない、切ないだけでもない。
友情と恋の違い、思春期、年の差。
……女の子は考えることがたくさんあるのです。


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