とうとう「捏造トラップ-NTR-」が始まりましたね。
そんな中、今日はコダマナオコ先生特集のラストを飾る「コキュートス」をご紹介します。


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(C)コダマナオコ/一迅社
「コキュートス」より
ふたつのお話が入っている短編集になります。
どちらもコダマナオコ先生らしい病んでる百合が描かれてます。
病んでいるのに付き合っていない。
付き合っていないのに病んでいる。
そういう関係が作りやすいことも百合の特徴なのかもしれません。

ズルくて可愛い女の子がヤンデレっぷりを発揮するところをニヤニヤしながら見守りましょう!


目次
〇ダイジェスト
〇おすすめ内容
1、女の子の愚かで可愛いところ
2、やっぱり、ヤンデレ
3、続きが気になる!
〇まとめ
〇関連記事


ダイジェスト


「コキュートス」
女子高百合。
行きづらい学校生活に嫌気がさしながら大人しく従う女の子と帰国子女で真っすぐ自分を貫く生きづらそうな女の子の百合。
どこにでもいそうな女の子:椎名がクラスの女子から目をつけられている黒崎になんだかんだ惹かれていくお話です。
女の子の友人関係の面倒くさいところが良く出ています。
その中で作られる関係が見どころ!


「モラトリアム」
男の子としか付き合ったことがないし、女の子とも付き合える気がしない女の子:真央が親友の伊月に惹かれるお話です。
作中では大学生なのですが、書き下しで卒業後の伊月視点のお話が描かれております。
最初は真央視点で話が進みます。
男の子が好きだし、伊月と恋人になろうとも思っていないけど、伊月が離れていくのは許せないという歪んだ執着とそこから生まれる行動。
反対に伊月視点では真央の性格・行動を伊月がどう見ていたか。
その上で、どうしたいと思っているかがわかります。
ぶっちゃけ、どっちも病んでて怖いよ!
ヤンデレ百合の見本みたいなお話ですね。


おすすめ内容

1、女の子の愚かで可愛いところ

「コキュートス」「モラトリアム」どちらも女の子特有の性格の悪さがよく描かれている作品だと思います。
そして私はそういう性格の女の子が出るお話が大好きです!


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(C)コダマナオコ/一迅社
「コキュートス」より

「コキュートス」では女の子の集団での生きづらさをよく表しています。
そこで上手く生き抜くため、波風立たずに生きている普通の女の子:椎名が主人公です。
椎名は目立たないようにクラスの中で生活していました。
椎名のクラスでは黒崎という少女が目立っていて、いわゆる目をつけられている状態ですね。
だけど、その分黒崎は自由に生きているように感じられて椎名はうらやましくなり……不器用に惹かれあう二人を見つめるのが楽しくてしょうがない(笑)

目立つことを嫌っていた椎名が黒崎に惹かれることで直面する様々な問題にどう対処するのか。
ここにその子の性格が一番でます。
そして、椎名は一番ずるくて女の子らしい方法をとります。
黒崎は一番真っすぐな方法ですね。
いやー、コダマ先生、ありがとうございます!

「モラトリアム」では恋人になりたいわけではないけれど、自分から離れてほしくない女の子のエゴが上手い!
女の子特有の独占欲の一つとして「親友は自分だけの親友でいて欲しい」というのがあります。
つまり、自分が一番大切にしている友達には一番大切にして欲しいわけです(下手したら恋人よりも)
モラトリアムに出てくる真央は典型的なこのタイプ。
だけども、それが百合に昇華できてしまうのは真央自身が「性行為はできそうにないけど伊月が一番好き」と自覚しているからですね。
恋人にはなれないけど、離す気もない。
関係性がここまで歪みなく歪んでいる漫画は初めてです!
伊月視点も併せて見るとさらに病みっぷりがわかります。


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(C)コダマナオコ/一迅社
「コキュートス」より

2、やっぱり、ヤンデレ

上で散々ふたつのお話の病みっぷりは書きました。
コダマナオコ先生はヤンデレ百合を書かせたら右に出るものはいないと思います。

その結晶が「捏造トラップ―NTR―」です!

とうとうアニメ放送も始まりましたね。
私「NTR」は地雷なんですが、このお話はどう転ぶか気になって見てしまっております……。
百合好きな方はNTRが苦手な方も多いですが、「捏造トラップ」はNTRがどこで起こるかまだ決まっておりません。
(むしろ百合姫連載なのを考えれば、男から女をNTRする可能性が高いと信じております)
根本に流れるヤンデレ百合を楽しめる方であれば間違いなくツボります。
もし「コキュートス」を見て、もっとドロドロした百合はないのか!と思われた方は「捏造トラップ」を見ましょう!

閑話休題

「コキュートス」「モラトリアム」ともに、特筆すべきなのは付き合っていないことです!
誰よりも強い想いを抱いていながら、「コキュートス」ではほかの人間関係に遮られて、「モラトリアム」では恋愛対象でないという壁を感じて、付き合っておりません。
ですが、することしちゃってたり、誰よりも独占欲が強くなってたり、ドライな関係よりはよほど付き合ってるように見えます。


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(C)コダマナオコ/一迅社
「コキュートス」より

付き合っていなくてもイチャイチャしてくれるのが百合のいいところ。
そして、怖いところでもありますね!


3、続きが気になる!

両方の作品とも続きが非常に気になります。
コダマナオコ先生の作品はヤンデレが完結しているのですが、恋人にならない話が多いので、その後の展開が気になるんですよね。
「コキュートス」では、黒崎の真っすぐな想いに椎名はどう向き合っていくのか。
「モラトリアム」では、一緒に住み始めて、お互い友達のままの関係がどう変化するのか。
妄想でもいいので補ってしまいたい気分です!
この続きが気になることこそ、コダマナオコ先生の一番の特徴なのかもしれません。


まとめ


力が入って、長くなりました。
コダマナオコ先生の本はこれで3冊目の紹介になります。
話としては一番まとまったヤンデレ百合を補給できる内容だったのではないかと思います。
ただ、付き合ってはいないので、恋人同士になるヤンデレ百合を見たい方は「不自由セカイ」の方がお勧めかもしれません。



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コキュートス 完全版 (百合姫コミックス)



〇関連記事
「不自由セカイ」:1冊で完結しているヤンデレ百合。
「残光ノイズ」:ヤンデレからイチャイチャまで楽しめる百合。
「クレイジーサイコレズ」:こんな単語もあります。



*ファス*



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