恋人関係にないならば百合としない人もいれば、その二人の絆があるならそれだけで百合とする人もいる。
今日紹介する「Cotton」はまさにそんな境界の作品になります!
今日紹介する「Cotton」はまさにそんな境界の作品になります!
(C)紺野キタ/幻冬舎
「Cotton」より
「Cotton」は2003年にも一度出版されており、今日紹介するのは2003年版に短編を何話か加えたお買い得なものになります。
元々2003年度版の「Cotton」も大好きで家宝のような作品だったので、見つけて思わず買っちゃいました……!
だって、大好きな作品ですから、仕方ない!!
内容も期待通りで、以前に読んだときの感情が蘇ってきました。
その上、年を重ねたことで(笑)さらに味わい深くなった箇所も多かったです。
色んな世代の百合好きに読んでもらいたい作品です!
目次
〇ダイジェスト
〇おすすめ内容
1、繊細なストーリーと細やかに描かれる人の気持ち
2、大人と子供の違い、差をストーリーに昇華させる凄さ
3、百合?百合じゃない?いや、これは名作だ!
〇まとめ
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〇ダイジェスト
〇おすすめ内容
1、繊細なストーリーと細やかに描かれる人の気持ち
2、大人と子供の違い、差をストーリーに昇華させる凄さ
3、百合?百合じゃない?いや、これは名作だ!
〇まとめ
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ダイジェスト
・Cotton/Cotton after
奈月は雨の日に出会った理子と姉の結婚式で再会する。
7つも年下の理子に振り回される奈月。
「難しい子」扱いされている理子。
二人の関係も感情も置き去りに、周囲がどんどんと話を進めていき……。
傷つきのは子供だけじゃない。
そういうアタリマエのことを当たり前に思い出させてくれる作品です。
奈月は雨の日に出会った理子と姉の結婚式で再会する。
7つも年下の理子に振り回される奈月。
「難しい子」扱いされている理子。
二人の関係も感情も置き去りに、周囲がどんどんと話を進めていき……。
傷つきのは子供だけじゃない。
そういうアタリマエのことを当たり前に思い出させてくれる作品です。
・生物 Ⅰ
教室には「やさしい生きもの」という絶滅危惧種がいる。
優しさ故に傷つき、それでも笑う男の子を放っておけない女の子。
そんな二人の心が洗われるような話。
教室には「やさしい生きもの」という絶滅危惧種がいる。
優しさ故に傷つき、それでも笑う男の子を放っておけない女の子。
そんな二人の心が洗われるような話。
・朝の子供
複雑な大人から子供に戻りたい。
誰にもある願いを鮮やかに描いた作品。
大人の面白さが味わえる。
・手紙
引っ越した友達に手紙を出すため、郵便ポストを探す内に不思議な場所へと迷い込む。
小学生の男の子同士の友情が描かれた作品です。
小さい頃の純粋さが心にしみます。
・残夏
終戦後の思い出を孫に聞かせるお爺ちゃん。
今でも連絡を取り合っている親戚が亡くなり、お葬式で出会った孫娘は自分の記憶の中に存在しており……。
ちょっと不思議で、心が暖かくなる、そんな色々な想いが詰まっている名作です。
表題作以外で一押しのお話。
・telephone
電話で一緒に泣ける友達がいるのは良いこと!
青春の1Pを切り取った作品になります。
・telephone
電話で一緒に泣ける友達がいるのは良いこと!
青春の1Pを切り取った作品になります。
・under the rose
桂と葉月は異母姉妹。
母親が死んだことで一緒に住むことになった二人は歪な絆を紡いでいく。
これぞ百合のカオリ!と大声で言いたくなる作品。
耽美な雰囲気がぴったりです。
桂と葉月は異母姉妹。
母親が死んだことで一緒に住むことになった二人は歪な絆を紡いでいく。
これぞ百合のカオリ!と大声で言いたくなる作品。
耽美な雰囲気がぴったりです。
・放課後
放課後、聞こえてくる声からたった一人の声だけを拾ってしまう女の子。
女子高生の一幕を切り取ったような、とても詩的な作品です。
放課後、聞こえてくる声からたった一人の声だけを拾ってしまう女の子。
女子高生の一幕を切り取ったような、とても詩的な作品です。
おすすめ内容
1、繊細なストーリーと細やかに描かれる人の気持ち
紺野キタ先生の作品は全てが繊細!(イメージ)
登場人物も直接自分の感情を説明したりする場面は非常に少ないです。
それでも周囲の描写や表情で伝わる人間のリアルな感情は、まるでドラマやお芝居を見ている気分になります。
登場人物も直接自分の感情を説明したりする場面は非常に少ないです。
それでも周囲の描写や表情で伝わる人間のリアルな感情は、まるでドラマやお芝居を見ている気分になります。
(C)紺野キタ/幻冬舎
「Cotton」より
表題作である「Cotton」も、最初から百合好きにたまらない言葉が散りばめられております。
作中で恋人同士になるような展開ははありません。
しかし、それ以上の絆が奈月と理子にはあるようにみえるのが、この作品の不思議。
百合が溢れる今日このごろ、こういう淡い人間関係の紡ぎ方を見ると、どこかほっとしてしまいます。
……理子ちゃんと真っ直ぐに向き合える気は全然しませんが(笑)
その他のお話も、人間関係についてのものが中心。
恋愛物ばかりが作品として多くありますが、それ以外の感情、関係をここまで丁寧に描いてくれる作品に出会ったことがありません。
読み進めるごとに、忘れてい多くの感情を思い出せる作品集になっています。
2、大人と子供の違い、差をストーリーに昇華させる凄さ
この単行本の凄さは話の懐の深さにあります!
子供を主役にした話が「生物 Ⅰ」「手紙」「telephone」「under the rode」「放課後」の5作品。
こちらは小学生から高校生まで、様々な年代の子供達の話になっています。
思春期特有の感情の揺れや、初めての友達との別れの悲しさ、恋愛など、繊細に描かれる内容は、大人になって忘れていたものを思い出させてくれる作品ばかりです。
それに対して大人が主役の話「朝の子供」「残夏」
こちらは、人生経験を積んだ大人が言うからこそ面白く感じるお話です。
以前読んだときはぴんと来なかったけど、今読むとわかる……そういう経験ができる、したいと思わせてくれる内容になってます。
私の中で表題作「Cotton」の次点は「残夏」です。
終戦と夏を絡めておきながら、悲しみよりも未来について考えたくなる内容は素晴らしいの一言に尽きると思います。
こちらは、人生経験を積んだ大人が言うからこそ面白く感じるお話です。
以前読んだときはぴんと来なかったけど、今読むとわかる……そういう経験ができる、したいと思わせてくれる内容になってます。
私の中で表題作「Cotton」の次点は「残夏」です。
終戦と夏を絡めておきながら、悲しみよりも未来について考えたくなる内容は素晴らしいの一言に尽きると思います。
(C)紺野キタ/幻冬舎
「Cotton」より
そして「Cotton/Cotton after」!
主人公である奈月は23歳の大人なんですが、振り回される相手である理子は16歳。
この二人の年の差がいい塩梅に二人の関係を近づけたり遠ざけたりします。
子供の真っ直ぐさは時折怖いですが、だからこそ綺麗なものです。
大人であっても泣くことはあるし、二人の関係を通して色々なことを感じ取れる作品ですよ!
3、百合?百合じゃない?いや、これは名作だ!
百合とか、百合じゃないとか関係無く、名作ばかりが詰め込まれた「Cotton」
たまには百合とは言い切れない女性二人の関係に思いを巡らせるのも良いかもしれません。
ちなみに私の中では下手な百合っぷるより強い絆を奈月と理子には感じております。
だって
たまには百合とは言い切れない女性二人の関係に思いを巡らせるのも良いかもしれません。
ちなみに私の中では下手な百合っぷるより強い絆を奈月と理子には感じております。
だって
(C)紺野キタ/幻冬舎
「Cotton」より
こんなこと言ってますし。
直接的でない、心に秘めた想いが好きな方には非常におすすめの作品です!
この短編集を読んで、自分の中の理想の百合を考えるのも面白いかもしれませんね。
まとめ
百合好きにはぜひオススメした「Cotton」を紹介しました。
紺野キタ先生は様々なジャンルで活躍されている先生です。
繊細な表現で、現実のリアルを描き上げます!
何歳の人が読んでも面白い漫画って本当に凄い。
未読の方はぜひ試してみてください!
繊細な表現で、現実のリアルを描き上げます!
何歳の人が読んでも面白い漫画って本当に凄い。
未読の方はぜひ試してみてください!

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*ファス*