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ギャグ成分が強い百合は、百合分が薄い。
そんな思い込みを持っている人に、ぜひ読んでもらいたいのが『とどのつまりの有頂天』です。
今回、連載雑誌が変わるため、一旦「完結」という形になりました。



以前、1巻の感想記事も書いてます。(→『とどのつまりの有頂天』1巻
とにかく言えるのは、百合好きならば読まなきゃ損の作品であること!

コメディ分が強い作品なのに、百合分が尊みさえ感じるレベルで配合されている奇跡の作品です。
2巻ではそれぞれのキャラが持つ背景が見え始め、1巻を大幅に上回る面白さになっております!
わちゃわちゃするだけの百合コメじゃありません。女の子ひとりひとりをきちんと掘り下げ、シリアス部分も楽しめます。この2つのバランスが天才的。
コメディによってシリアス部分が、さらに引き込まれる作りになってます。

猫崎と美古都の関係がどうなるか。
獅子丸と辺銀、タクヤと夜空の過去になにがあったのか。
1冊読み終わるまでの間に「尊い」と3回以上手を合わせたのは初めての経験でした(笑)
一度完結した今こそ、この百合分に溢れた作品を読んでください!


まず、表紙が尊い……


目次
◯『とどのつまりの有頂天』2巻とは?
◯『とどのつまりの有頂天』2巻オススメ内容
1、猫崎さんと美古都が付き合ってない件について
2、レコード部と幼馴染たちの過去が尊み
3、連載再開まで待つしか無い!
◯まとめ

『とどのつまりの有頂天』とは?


あらた伊里先生が描く、ドタバタ学園百合作品になります。
絶海の孤島にある「私立有頂天高校」には「有頂天部」が存在します。その部員たちのお話です。

スポットライトが当たっているのは京都から入学した美古都。彼女は京都訛りが恥ずかしくてロクに友人も作れていませんでした。
全寮制の学校なのに美古都だけ一人部屋なのも拍車をかけます。
学校で話す相手もいない彼女が唯一くつろげるのが、敷地内に存在する神社にいるときでした。

そんな美古都を気にかけてくれていたのが、一年生ながら生徒会に入っている猫崎蓮です。
神社を使用する美古都のために、何かと気を回してくれます。
自分の面倒をみてくれる猫崎に美古都は感謝してもしきれません。

1巻では、猫崎への気持ちを自覚した美古都と、猫崎の微妙なすれ違いの場面で終わりました。
2巻では、一人奮闘する美古都と鈍い猫崎の自覚までが描かれています。
また有頂天部の部員たち「辺銀と獅子丸」「夜空とタクヤ」の2組についても掘り下げられます。

連載誌が「少年画報社」から「電撃大王」へ移る影響で、一旦完結の形になっています。確かに一応完結しているように読めなくもないが、先が気になります!
全然先が気になる!
2巻では美古都以外のキャラクターも、百合の魅力が爆発しているので、早く連載が開始されることを祈るばかりです。


『とどのつまりの有頂天』2巻オススメ内容

1、猫崎さんと美古都が付き合ってない件について

オススメ内容なのに、メールのタイトルみたいになってしまいました。
いや、このタイトルが私の読後感想の全てです。

美古都と猫崎さんのじれったい関係が全編を通して描かれています。
二人共好きあってるんだから、さっさと付き合えよと思ってしまう一冊です。
こんなに百合の尊みに溢れた作品は中々ありません。
そして、一応とはいえ完結巻なのに……

猫崎さんと美古都が付き合ってないんですが、どういうことなんでしょうか?!

びっくりすることに、付き合ってないんですよ。(大切なことなので二回言いました)
美古都は1巻の最後で自覚してました。猫崎は最初から美古都のことが好きとしか思えない行動ばかり。
1巻のラストでこそ猫崎と美古都はすれ違っていますが、間違いなく両思いでしょう。
このすれ違いが2巻にきて、さらに加速します。


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(C)あらた伊里/とどのつまりの有頂天

猫崎さんの鈍さには本当にびっくりだよ!
読者からすると美古都に同情するしかない鈍さを発揮しています。
しかし、この鈍さにも理由があることが2巻では発覚します。

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(C)あらた伊里/とどのつまりの有頂天

猫崎さん、思ったより暗い過去をお持ちのようです。
その上、まだ大分引きずっていらっしゃいます。
美古都に恋をすること自体を怖がっている様子と、優秀な部分からは読み取れない自己肯定感の低さが表れています。

この猫崎さんをそのまま包み込める美古都の懐の深さが素晴らしい。
恋って女の子を本当に強くします。
まぁ、その結果ラッキースケベに見舞われる美古都は、さすが主人公です。

傷ついて、傷つけて、段々と距離が縮まっていく二人のこれからに期待がかかります!


2、レコード部と幼馴染たちの過去が尊み

『とどのつまりの有頂天』2巻は驚くほど、尊みに溢れた作品になります。
最初に一冊読み終えるまでに、3回は「尊い」と呟いたと書きました。
しかし、もう一度読んでみたら口癖のように「尊い」が飛び出してくるように!
読み返したことにより、「尊み」を構成する「尊さ」に気づいてしまい、そのような事態に……。
尊いという字がゲシュタルト崩壊しそうですね。

先に猫崎さんと美古都の尊さには触れました。
『とどのつまりの有頂天』2巻は、それだけで終わらせてくれません。
この巻では、美古都と猫崎さん以外の2組「辺銀と獅子丸」「夜空とタクヤ」にもスポットライトが当てられています。

まずは、昭和レコード部でもある「辺銀と獅子丸」の二人から。
この二人1巻ではケンカと金策ばかりしていました。
「レコードが好きなだけ」で性格はあわないと言っていた二人ですが、今回の過去編でがらりと印象が変わります。

2巻で猫崎さんのことで落ち込む美古都を慮ってくれたのが獅子丸。
実は彼女、実家はお金持ちで現在も仕送りがたくさん送られてきております。
それなのに、なぜ辺銀と一緒に金策ばかりしているかというと……彼女に思い出して欲しいからなんですって!

中学時代、金ばかり送ってくる親に愛想がつきた獅子丸は自殺しようとしていました。
そこを辺銀に救われたのがキッカケで、獅子丸は有頂天高校に入る決意をします。
ところが、入学した高校で出会った辺銀は獅子丸のことなんて欠片も覚えていません。
これが獅子丸が辺銀とケンカばかりしている理由でした。
――さぁ、みなさん、準備はいいですか?

どんだけツンデレやねん!

辺銀に忘れられていたのが悲しくて、強く当たっちゃうとか、今どき小学生でもやらないようなことをやっています。
その上、辺銀を大切にしているのが丸わかりの場面もあり、百合の尊みに溢れた話です。
この二人がどうなるかも気になります。

次が「夜空とタクヤ」の二人になります。
この二人は1巻からすでに付き合っている幼馴染カップルです。
幼馴染だから、「特に理由もなく」くっついたと思っちゃいけません。
長年一緒にいる重さが、この二人にはあります。

まずは、これを見てください。


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(C)あらた伊里/とどのつまりの有頂天

もうね、小学生くらいで、こんなことを言っちゃう幼馴染って怖いわ!

「わたしが笑わなきゃ、夜空は笑わない」
「わたしが幸せじゃないと、夜空も幸せじゃない」

そんな風に言い切れる関係性を「尊い」以外の何で表現したらいいんでしょうか。
しかも、タクヤはこれをキッカケに、夜空を幸せにするために全力を尽くします。
それが今のタクヤの病弱なのにパワフルな感じにつながるかと思うと……。

どこを見ても尊みばかりの『とどのつまりの有頂天』2巻、やばいです。


3、連載再開まで待つしか無い!

単行本には、連載されていた14話までプラス番外編が5つも載っています。
どれも本編の尊みを補強するお話ばかりです。
「とどつま」以外にも、前作「総合タワーリシチ」の番外編も載っています。
連載が開始するまで、何度でも読み返せる2冊になりそうです。

あらた伊里先生のあとがきによれば、今年中には連載開始できそうとのこと。
新連載に併せて、さらに百合度がパワーアップするそうです。
これ以上の百合度……恐ろしいですね。

連載開始まで、心身を清めて待とうと思います。

まとめ


とどのつまりの有頂天』2巻の感想記事でした。

もう、すべてが尊い作品です!

1巻のパワフルさを残しながら、2巻ではキャラクターの内面を十分に掘り下げています。
それにより、それぞれのカップルの尊みが爆発しそうなレベルに
私の中の百合センサーが振り切れそうになりました。
夢に見そうなほど面白い『とどのつまりの有頂天』2巻。
連載開始が待ち遠しいです。



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