姉妹百合崩壊?
真実の愛の相手?
クリストフとの結婚?

……そんなことは、どうでもいいんです。
全部を昇華して、アナとエルサの二人は何よりも強い愛で結ばれました!

もうね、もうね、もうね、これが百合じゃなきゃ、何が百合になる!!ってレベルの映画でしたよ。
その割に、百合じゃなくなったという嘆きが聞こえてきて悔しい。
そう、悔しいんですよ。

アナ雪2は前作たちのどれより百合にあふれてた作品ですよ。
アナとエルサに距離ができる?
アナとクリストフが結ばれる?
そんな些末なことは気になりません!

それをじっくりと説明していこうと思います。
よろしければ、お付き合いください。


目次
◯『アナと雪の女王2』とは?
◯『アナと雪の女王2』オススメ内容
1、結婚って大切ですか?
2、タイトルの謎
3、「真実の愛」の真実
◯まとめ

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『アナと雪の女王2』とは?


なぜ、エルサに力は与えられたのか――。

命がけの妹アナによって、閉ざした心を開き、“触れるものすべてを凍らせてしまう力”をコントロールできるようになったエルサは、雪と氷に覆われたアレンデール王国に温かな陽光を取り戻した。そして再び城門を閉じることはないと約束した。それから3年――。
深い絆で結ばれたアナとエルサの姉妹は、王国を治めながら、失われた少女時代を取り戻すかのように、気の置けない仲間たちと平穏で幸せな日々を送っていた。しかしある日、エルサだけが“不思議な歌声”を聴く。その歌声に導かれ、仲間のクリストフやオラフと共に旅に出たアナとエルサは、エルサの持つ“力”の秘密を解き明かすため、数々の試練に立ち向かう。果たしてなぜ力はエルサだけに与えられたのか。そして姉妹の知られざる過去の“謎”とは? 旅の終わりに、待ち受けるすべての答えとは――。

「アナと雪の女王2」公式サイトより(https://www.disney.co.jp/movie/anayuki2/about.html)


待ちに待ったアナ雪の正式な続編ですよ!
前作が2014年の作品なので、もう5年経過していることにびっくり。
2が公開されるまでに、短編として「エルサのサプライズ」「家族の思い出」などが発表されてます。
その短編たちも、非常に百合みにあふれた内容でした。
アナ雪2がどうなるか、わくわくしながら待っていた人は多いハズ。

結論から言いましょう。
アナ雪2は、百合好きの予想を超えた物語を見せてくれました!
ただ百合として楽しむには高度な百合脳が必要なので、百合好きな人ほど百合に感じられると思います。


『アナと雪の女王2』オススメ内容


1、結婚って大切ですか?

ディズニー映画の感想で、こんなタイトルを書くことになるとは……。
自分でもびっくりしています。
ここ最近のディズニー映画作品は、ほんとうに懐が広いです。

結婚って大切ですよ。
とくに女性にとっては人生の一大イベントでした。
だからこそ恋愛映画の最後は、プロポーズで終わるわけです。
童話も「王子様とお姫様は仲良く一緒に暮らしました」で終わるんですよ。

でもね、今のディズニーが伝えたいのはそういう古い価値観じゃないんです。
結婚は大切――でも、それ以上に大切なものがある。
そういうことを、この頃のディズニーさんは教えてくれるんです!
(そうじゃないのかもしれないけれど、私にはそうとしか思えない)

マレフィセント2でも書きました(→マレフィセント2が壮大な親子喧嘩だった件
結婚の話は出るんです。プロポーズもしっかり描かれるんです。

でも、扱いが雑すぎる!

今回のアナ雪2では、アナにプロポーズしようとクリストフが頑張ります。
最初から指輪や言葉を準備して「いつ言おう、いつ言おう」とタイミングを狙ってるのが丸わかり。
マレフィセント2みたいに、初っ端にプロポーズされるのも驚くけど、プロポーズだけでこんなに引っ張るのも驚き。
どちらの作品も主役になっていはずのプロポーズが、非常にないがしろにされる展開です。

クリストフがプロポーズしようと頑張ってるけど、アナがエルサに必死過ぎてタイミングをことごとく外します。
結局、プロポーズができたのは最後です。
ピンチが全部終わって、アナとエルサが落ち着いたときに、やっとプロポーズして大団円になります。
しかも、返事があっさりし過ぎてる。

歌の一つくらい入れてやれよ!と思ってしまうほど、あっさりですよ。アナの「もちろん!」だけです。

このラストだから百合じゃないと思う人がいるのは、よくわかります。
曲がりなりにも、男女カップルが成立しますし、エルサもそれを祝福してます。
「ああ、この二人は完全に姉妹愛なんだな」と思っても仕方ない。
仕方ないけれど「それがどうした!」と言っているのが、アナ雪2のスゴイところ

この二人の姉妹愛、絶対にクリストフとの結婚より優先されてる。

エルサは全部通して、アナが一番大切なんですよ。
ええ、それは間違いないから、安心してください。
そのくせ、未知の声に惹かれて旅立っちゃう気ままさが、まさしく女王様ですよ。

問題はアナです。
アナはクリストフという恋人がいます。プロポーズもされます。
それでも、エルサよりクリストフが優先されたことは一度もない!

これも、なかなか、ひどい恋人ですよね。
エルサが大変だと、クリストフのことは放って置きますから。
アナって、結局エルサが一番大切な人間なんですよ。

私、男女カップルが成立した時点で、百合ってなくなるもんだと思ってたんですよ。
でも違った。
アナ雪2を見て「結婚」という他人がなりうる一番強い繋がりでも、姉妹愛には勝てないんだなと思ってしまったんです。

アナの中の優先順位って
1、エルサ
2、クリストフ(結婚相手)
3、国民
みたいな感じになっていると思います。

アナ雪2はアナとクリストフの結婚を描きつつ、アナにはそれ以上に大切なもの(エルサ)があるっている話なんですよ。


2、タイトルの謎

今更ですが「アナと雪の女王」――このタイトル、不思議じゃないですか?

邦題が「アナと雪の女王」で、原題は「Frozen」ですよね。
ぶっちゃけ、原題のままでも問題ないと思ってました。

とくに前作は、ほぼエルサが主役の映画でしたよね。
エルサが魔法の力に困ってて、真実の愛の相手であるアナに助けられて、女王になる。
ざっくり言えば、そんな話です。

元々ダブルヒロインって言われてるし、アナとエルサ両方が主人公扱い。
それでも視聴者としては「エルサが主役」と感じてた人は多いハズ。
私も「フローズンか、アナとエルサくらいでいいんじゃないか」と思っていた人間です。(センスがないだけ)
それが2になってから、腑に落ちました。

アナ雪は「“アナ”と雪の女王」じゃないといけないんですよ!

今回、アナが非常にクローズアップされています。
未知の声に惹かれて、自由に行動するエルサを常に追いかけるアナ。
置いてきぼりにならない行動力はもちろん、どんな悲しいときでも正しい選択をする姿は主人公そのものです。

まぁ、エルサが勝手に危険に突っ込んで、最終的に「アナ!」って言いながら凍るシーンはツッコミましたけど。
あまりにも無責任すぎて(エルサが)
あまりにもアナのこと信頼しすぎて(エルサが)
「my sister, my hero」を原作で見せつけられた気分です。

今作でのアナちゃんは、髪を下ろしていて、すごく可愛い!
その上、滝は下るわ、身を挺して自然を守るわ、行動力が半端なくて格好良い!
物語の重要な選択を全部アナが行います。そして間違えない。
見てて惚れるレベルです。
アナの高感度が右肩上がりになりますよ。

そりゃ、クリストフも惚れますわ。
アナの旦那になるのは彼しかいません。

ここも百合が極まってると思ったポイント
なんです。

わけがわからないと思いますが、聞いてください。

クリストフ、かなり扱いがひどいです。
プロポーズしようとしても邪魔されるし、最悪、プロポーズの練習をしていてアナとエルサに置いていかれます。
もうね「そろそろ諦めようよ」って思う、扱いの酷さですよ。
彼がスゴイのは、そこで諦めない……というか、そういうものだと受け入れてることです!

クリストフはアナにベタぼれなんですよ。
しかも、どこが好きとかじゃなく、たぶん、アナを丸ごと愛してる。
アナがエルサをどんなに大切にしても、どんなに優先しても、クリストフはへこたれません。
アナがエルサを優先するのが当然とばかりの行動ですよ。

彼にとっては、それが「普通」なんです。

ええ、びっくりですよね。
そのうえ、アナが助けてほしいときは颯爽とやってくるし、ほんとアナの旦那はクリストフしか務まりません。
アナは「自分がエルサを優先しても気にしない」から、クリストフと恋人でいられたんだろうなとさえ思います。


3、「真実の愛」の真実

前作で明らかになった「真実の愛」
それは、アナとエルサの間にある絆のことでした。

「真実の愛」って姉妹愛なの?ってなりますよね。
今作では「真実の愛」がもっと具体的にわかる作りになっています。
注意点としては一度も「真実の愛」って言葉が出てこないこと。普通に見てたら見逃すレベルです。

全体を通して言えるのは、アナ雪2は大人向けの作品
子供が見ても面白さはあまりないと思います。
ここからかなり私の解釈が入りますので、ご注意下さい。

「真実の愛」って、相手の幸せを願うことなんでしょうね。
今回のアナ雪2で一番変化があったのは、間違いなくアナです。
ダムを壊して、魔法の森を蘇らせ、エルサも救ったアナ。
そんなアナにエルサは、再会してすぐに言います。

「アナ、正しい選択をしたあなたが相応しいわ」(セリフは適当です)

ん?ってなりません?
わかるんですよ。
アナが正しい選択をして、すべて元の姿に戻したっていうのも。
だから、正しいことをしたアナが王位に相応しいっているのも。
理屈はすごくわかるんです。

でも、それを現女王のエルサから言われて「はい、なります」って言えないでしょ、普通!
そんなすんなり交代できるんなら、前作の騒動はなんだったのって話ですよ。
あんな簡単に移っていいものじゃないからね、権力って。

アナもよく受けたなと思いませんか?
今まで曲がりなりにも教育は受けてきたと思います。
それでも「姉がいるから、あたしはサポート」くらいの気持ちでいたはず。

いきなり「あなたが女王よ」ですよ。

普通、引き受けられませんって。
アナとしても、色々言いたいことはあると思う。

そういう複雑な事情をすべてふっとばして、映画はアナが女王として過ごす姿で終わります。
さらにはエルサに手紙まで出す始末。仲は今までと変わらず良好のようです。

この結末から、アナがエルサに言われて、すんなり引き受けたってことですよ。
なんで王位なんて面倒くさいものをすんなり引き受けるのか。(しかも、アナの即位の姿はあるのに、結婚式はない!)
これって、アナがエルサの幸せを考えた結果としか思えません。

アナが女王になって一番得をするのは誰でしょう。当然、エルサなんですよ。
責任からも逃げられる、魔法も隠さずに済む。
その上、唯一のつながりと言っていいアナとは自由に連絡がとれる。
良いことばっかりじゃないですか。

対してアナは、女王になれるってことくらいですよね。
仕事も責任も増えるし、下手したらクリストフとの結婚もなかった話になるかもしれない。
そんな中、アナは楽しそうに女王をしてるんです。
これって、もう愛以外答えがない気がする。

アナは前作、今作通して、エルサをずーっと大切にしてます。
今作ではとくに大切にしている表現が多いんです。

ちょっとした変化を見逃さない。
ちょっとしたことでも気を使ってあげる。
心配してると率直に伝える。

妹というより、お母さんのような過保護っぷりですよ。
だから、思うんです。
「アナはエルサが大切だから、王位を引き受けたんだろうなぁ」って。

エルサに自由に生きてほしいから、面倒な王位も引き受ける。

そう言ってる映画にしか見えませんでしたよ!
そんな思いをぶつけたSSもできましたので、よければ見てみてください(→雪が舞う季節

まとめ


アナと雪の女王2は百合的に問題作です。

アナは結婚するし、エルサと距離はできるし。
そんな問題作ですが、不思議と百合みは極まってます!
むしろ「真実の愛」が極まってる。

もし、クリストフが「エルサと俺、どっちが大切なんだ?」みたいなこと聞いたら、アナは「どっちも大切よ」って言うんでしょう。
これ大分意味が違う「大切」ですよ。

エルサは、何をしてもきっとアナに嫌われない。無条件に大切な存在なんですよ。
クリストフは、エルサを大切なアナをそのまま受け入れてくれるから大切なんです。ありのままの自分を愛してくれるから、大切なんだと思います。

こんなん百合好きにしたら、どっちが大切かなんてわかりきってますよね。
大切なものを順番に捨てていって、最後に残ったのが、一番大切ってことですよ。
条件なんてない。
男女の愛とか、結婚とか、王位とか、いろいろ、ごちゃごちゃあるけど、愛って結局「無条件にいちばん大切」ってこと
そう感じさせてくれた「アナと雪の女王2」百合的に極まってるから見てほしいです!



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