朧月夜サムネイル


九月といえば、長月。月ならば朧月夜。
ということで、今回は源氏物語に出てくる朧月夜について語りたい。

「なんでいきなり朧月夜?」
「いや、そりゃ、あんた、源氏物語には良い女がいっぱいいるからだよ

このブログで書きたいこと(作品、キャラクターなどなど)は、たくさんある。
だけども、今、私の中では、それが渋滞を起こして、中々出てきてくれない状態だ。
半年以上更新がないのが心苦しいため、とりあえず、今の私が一番書きやすい話題を描くことにした。

今までの紹介っぽい文章から、言いたいことを言いたいように言っている。
そのため、興味がない人には「ぽかーん」な話題もあるかもしれない。
百合好き、可愛い子好きが自分の好きなものについて好きなように言っている記事になる。

「わかる!」と共感してくれたらしめたもの。
「わからない!」と言ってくれても嬉しい。
「こんなこと考えてる人いるんだなぁ」くらいで眺めてもらうと一番面白いかもしれない。



さて、前置きはこれくらいにして、今日は「朧月夜」について語りたい。

最初に言っておくと、私、朧月夜大好きなんです!

朧月夜と聞いて「誰?」となる人はいても、源氏物語なら、なんとなーく聞いたことがある人がほとんどだろう。

朧月夜は、簡単に言うと源氏の恋の相手の一人だ。
源氏物語に出てくる女性はほぼすべて源氏のお相手と思って間違いない。(たまに例外はある)
源氏物語のすごいところは3つある。

1、主人公の男が一等(この世で一番優れた男として描かれる)
2、基本、上流階級の世界(たまに庶民相手もいたりするけど、あとで貴族の末だったりする)
3、恋がすべて!(平安時代は美しいことが一番)

偏見はあると思う。
でもね、平安時代ってすごいのよ。
和歌のうまさが政治の官位に影響する世界って、あそこだけなのよ!

そんな時代に、最優秀って言われた男が、遊び歩く話なわけ。
そりゃ、相手の女もよい女ばっかりになるわ。

しかも、良い女の定義がいろいろあって、現代女性も参考にすべき点が多い。
品の良さやら、字の綺麗さやら、家庭的な雰囲気やら、艶やかさやら……。
全部、違う女性で説明されるのが、また源氏物語の凄さだわ。

これだけいるなかで、私の一押しは朧月夜なわけです。
朧月夜は、桐壺帝の右大臣の娘で、弘徽殿女御の妹。って、つまり源氏のライバルの家の娘
弘徽殿女御と源氏が敵対してるのが、源氏物語の基本だから。

だけど、妹である朧月夜は、そんなことちっとも気にしない奔放な性格。
源氏物語での扱いも「今風で色気たっぷりな女性」くらいの雰囲気だし、家庭的な性格の女性が多い中で朧月夜は、珍しいタイプになる。

「えー、そんなんが好きなの?」と言われても仕方ない。

なにせ彼女の奔放っぷりはすごい。

朧月夜は帝への輿入れが決まっていた。つまり、皇后になることが決まっていた。
それなのに、源氏に誘われて、良い男だったからそのまま遊んじゃう。
ちなみに、この出会いの場で歌われている和歌に「朧月夜」が出てくるため、「朧月夜の君」になるわけだ。

浮気が公の事実になってしまったから、帝への輿入れはいったん中止になる。
でも帝は朧月夜にぞっこんのため、結局は輿入れすることになる。正妻じゃないけど。
そのうえ、輿入れ後も源氏とは付き合いを続けるあたり、平安時代の倫理観ってどうなってるのかな……と思わなくもない。
しかも、帝、自分が源氏より劣ってるのを認めて、朧月夜の浮気認めちゃうし。
魅力的な女性ならば、思ったより自由だったのかもしれない。

そんな彼女も、最終的には帝と一緒に出家して、源氏と別れるんだけど……ここまで書いてて「まるで瀬戸内寂聴さんじゃね?」と思った。
奔放な性格でも愛され、最終的に出家とか1000年前からモテる女性がすることは変わらないのかもしれない。

っと、違う方向でまとめそうになった。
私が朧月夜を好きなのは、何よりその性格!
あの時代に、自分の意思を貫くってすごい。

朧月夜だけ悲しい場面はほとんどない。
「やっちまったなー」と思う浮気バレの場面はあるんだけど。
源氏を待って涙にくれる……みたいなのがない。
ここがほんとに好き。

平安時代って、女性は基本的に待つだけだから悲しい展開が多いわけですよ。
待ちすぎて怨霊を飛ばしちゃう人もいるくらいだし。
その中で朧月夜は、まるで対等の存在のように見える素敵さ。

本妻向きの良い女ばかりでてくる源氏物語で、唯一遊び相手になってくれそうなのが朧月夜さんです。
葵の上も、明石の君も、ちょっと遊ぶには到底手が出ない。
良い子過ぎて、無理でしょ。
聖女とかいたら、あんな感じだと思うよ。

そんな中、しっかり自分の好きなように遊んで、しっかり結婚して、最後はすっぱり別れるとか。
もう、最高。帝に共感できるもん。
遊んでてもしょうがないから、とりあえず傍にいてくれよってなるよ。
いるだけで場が明るくなるような女性だったんだろうなぁと思うわけです。

何より、この性格の女性に「朧月夜」って儚そうな名前をつける紫式部のセンスが好き!
正反対の女性にしてやれ!っていう皮肉なのかとさえ思う。
いやぁ、朧月夜、好きだわぁ。

IMG_20200910_204259
↑朧月夜はこういう桜が咲いているときの月夜です。

ちなみに源氏物語、文字で読むと本当に大変。
大和真紀さんのあさきゆめみしが、私のバイブルです。

まぁ、平安時代が好きすぎて、いろんなものを読み漁ったことは否定しない……。
そんな中でも、「あさきゆめみし」の朧月夜像が好き。

物語のキャラクター解釈って、本当に個人の性格が出ると思う。
朧月夜も、奔放ってまとめられつつ、本質は純情一途!って解釈が多いの。
でもね、私は朧月夜は本質から遊び人!と言いたい。

昼間の桜の宴で一目ぼれ。だから、源氏と関係をもった。

分かりやすいし、納得もしやすい。
上の解釈は間違いなく正答ですよ。正当で正統で正答。

一途だから浮気がばれたあとも関係を続けたとか、わかるよ。
わかるけど、私の中では朧月夜は、きっとただ単に、源氏さえ都合の良い相手だったんじゃないかと思うの。

平安時代って、男から通う「通い婚」形態。恋も基本的に男が来ないとダメ。
だけど格の高い男が遊びに来るだけで、女の格も上がる時があるという不思議さ。
昔の日本って「処女性」に重点を置いてないのが面白いよね。

西洋に比べて、ゆっるゆる。
だけど、不道徳とかそういうわけじゃなくて、女性が処女だから価値が高いっていう話がないだけ。
しっかりした女性なら後妻だろうとなんだろうとなれたし。
位の高い男なら、側室やら浮気相手やらにも貢物したし。
まぁ、基本的に女の生活は女の実家が見て、その後は子供がみる形だったからだろうね。

ここらへん「平安朝の母と子」って小難しい本によくまとめられてて、面白かった。
でも小難しいのは否定できない。
女性の立場とか、権利とか、そういうのを知りたい人にはおすすめかも。

閑話休題。
朧月夜ですよ。朧月夜。

彼女を一途とみて、源氏と離れたのは「都合の良い遊び相手」扱いだったから、って解釈はわかるのよ。
朧月夜、お嬢様だし。プライド高いし。そんな扱いじゃ嫌!ってね。
でも、だからこそ朧月夜にとっても、源氏は「都合の良い相手」だったんじゃないかなとも思うわけです。

家族のライバル=ちょっと反抗できる
一番秀でた男=女として格が上がる

自分の好きなように生きた結果が、あのストーリーなんだと思う。
結局、帝の元に輿入れもできてるし、朧月夜の人生的にはノーダメージですよ。

しかも、最終的にずっと自分を好きでいてくれる帝に落ち着くあたり
「あー、遊ぶのも飽きてきたな。ずっと傍にいて見守ってくれた奴と落ち着くか」
って雰囲気を感じる。

……私の願望が多分に入っているのは認めよう。

まぁ、とにかく、「あさきゆめみし」見たことない人は見てみてほしい。
きっと好みの女の子が見つかるはず!

ちなみに、正妻は紫の上か、明石の君かでは、明石の君を推したい。
紫の上、大好きなんだけどね。
大好きなんだけど、自分のことを自分好みに育てた男と結婚して、あそこまで慕うって、できないよねー。

ちょっと、無理だよねー!

ってことで、人としては大好きなんだけど、どうしても共感できないため、明石の君を推します。
落ち着いた包容力のある女性も大好きです。妻にもらいたい。