さて、まさかの前後編になってしまったCCさくら百合考察。
CLMP先生大好きなもので、どうしても長くなってしまいます。
今日はやっと本題である百合考察へ!
また、長くなってしまうと思いますが、どうぞお付き合いください
*いつもの注意書き
続きから、百合な作品解説になります。
CCさくらは小狼とさくらしか認めない人。
結局男とくっつくんじゃん!という怒りが湧いてしまう人。
進まない方が良いかもしれません
親子二代にわたる百合
CCさくらはNHKでアニメ化されるような優良作品であります。
ただ、その中身は様々な嗜好をミックスされた「萌のるつぼ」とでもいうべきものです。
前提として、CLAMP先生が描く漫画の多くに色々な嗜好が含まれています。
そして何よりすごいのは百合やヤオイといったある意味、特殊でなければならない嗜好がCLAMP先生の描く物語の中では溶け込み、異性愛とまるで何も変わらないことのように扱われていることです。
それが変であるとか、異常であるというような描写は存在しません。
少女漫画でここまで自然にそういった話題を溶け込ませられるのは本当にすごいことだと思います。
今からそれを確認していきます。
1、百合
〇桜ちゃん×知世ちゃん


私が注目したい一番の組み合わせ。
というより、この二人の話がしたいがために記事を起こしました。
この二人、親友なのは間違いないのですが
実はとっても珍しい関係なんです。
*
まず、知世ちゃんは桜ちゃんが大好きです。
しかし、お話では「なぜこんなにも桜ちゃんを好きなのか?」が少しも描かれていません。
桜ちゃんのために毎回コスチュームを用意したり。
結構危険な目にあったりしている割に、「桜ちゃんですもの。大丈夫」と全幅の信頼を寄せていたり。
なんで、君の愛情はそんなにもはっきりしているんだ!
と叫びたくなるくらい、知世ちゃん→桜ちゃんの構図ははっきりしています。
その上、「好きな人の幸せが私の幸せですから」と言えてしまう。
言った通り、好きな人の背中を押して応援する。笑顔で。
嘘でしょ……と真っ青になれるくらい大人な対応です。
小学四年生が「好きな人のために身を引く」という考えがある時点で驚きですよね。
そのくせ、知世ちゃんが桜ちゃんを好きになる理由は少しもない。
まったくもって不思議です。
普通、仲良くなる描写や、絆が深まる様子などが積み重なって、親友というポジションは確立されます。
そういう描写がなく、我々が見ることができるのは、親友という枠に収めるには難しい愛情です。
以下、完全なる推測で話を進ませていただきます。
・CLAMP先生の描く登場人物は、運命の人がわかるのではないか?
誰かに惹かれる描写は、それこそ異性同性問わず出てくるCCさくら。
その理由としては「魔力の質」という説明が出てきたりします。
たとえば、桃矢くんに雪兎さんが惹かれるのは魔力が欲しいから。
小狼くんも最初雪兎さんに惹かれますがこれも自分の魔力と質が似ているから。
あと、桜ちゃんも雪兎さんに惹かれる描写もありますが、これもお父さんと魔力の質が似ている=自分とも似ているから、らしい。
CLAMP先生の描く話は、私などの頭では展開が追い付かないことが多いのですが、魔力を持っている人は同じような魔力を持った人に惹かれやすいということらしいです。
ただこれは魔力を持った人の話。
知世ちゃんは、そういう面では純粋な一般人だとされています。
(魔力がない人は眠ってしまう世界では眠ってしまう)
では、なぜ?
ここで出てくるのが上の説です
一般人も運命の人がわかるんじゃないか?
CCさくらの世界は、何度も書きますが、非常に綺麗で大人な世界です。
悪人もいませんし、みな、大人な行動をとります。
「大人だから運命の人がわかるのか?」と言われてしまうと、そんなことは少しもない現実に打ちのめされますが(笑)
おそらく、CCさくらの人々は、
自分が一番大切にしなければいけない、大切にしてしまうだろう人間がわかってしまうのだと思います。
出会いや感情、つながりに関係なく、必然的に、そうなるとわかってしまう。
自分が一番大切にしなければいけない、大切にしてしまうだろう人間がわかってしまうのだと思います。
出会いや感情、つながりに関係なく、必然的に、そうなるとわかってしまう。
それが幸せなのか、不幸なのか、なんとも言えないところですが。
そういう人物たちのお話なのではないでしょうか。
〇園美さん→撫子さん
また知世ちゃんに大きな影響を与えたであろう母親である園美さん。
彼女も中々百合的に美味しい人であります。
まず従妹である撫子さん溺愛。
この影響で桜の父親である藤隆さんは嫌いですし、知世ちゃんの髪は長く伸ばされているわけです。
そして、大人な子供たちに比べて、素直に自分の感情を吐露しています。

(”カードキャプターさくら 3巻”より)
「私が一番撫子のこと好きだったのよ」
「撫子さんも、君が大好きだったよ」
「でも、わたしが欲しかった『好き』じゃなかった」
このやり取りにすべては集約されていますね。
そして娘である知世ちゃんも似たことを言っています。
「きっと桜ちゃんとは違う意味の『好き』ですけど」
うーん、深い。
この後の行動と合わせて考えると、どうしようもなく深い愛情が親子二代にわたって伝わってきます。
同じようなセリフであっても、「欲しかった好き」というセリフと「違う意味の好き」というセリフでは込められる感情が違うと思います。
園美さんの言う「欲しかった『好き』じゃなかった」というセリフは
自分が撫子さんのことが好きで、そのうえで相手からも「同じ好き」を返してもらいたかった
という思いが。
知世ちゃんの言う「きっと違う意味の『好き』」というのセリフは
自分が桜ちゃんのことが好きで、だけども、もう(ほぼ)叶わないことを知っている
という風に思えてしまいます。
つまり、知世ちゃんの場合、自分の中ですべて完結してしまっています。
相手に返してもらうというような発想がないのです。
これが彼女の不思議さですね。
〇結論
百合的にこの二人(知世ちゃんと園美さん)はとても美味しい人たちであります。
この二人の「好き」はそこらの恋情よりも強い愛情です。
「好きな相手に何があっても自分は味方でいる」
そういう形がこの二人には共通していると思います。
また、好きの意味を考えさせられる二人でもあり、語りつくせません。
これはまた機会を設けて考えたいです。
2、教師×生徒
〇藤隆さん×撫子
〇桃矢×歌帆
〇寺田先生×利佳
全部、アウトな恋愛ですねー
寺田先生に至っては小学生と。
これも私がCCさくら、運命の人がわかる説を唱えたくなる理由の一つです。
だって、普通小学生と恋できませんよ?
教え子と恋をすることもタブーですが、何より恋愛対象に含めることができる寺田先生がすごい。
そして中々初々しい恋愛模様に、表情筋が仕事をしなくなる組み合わせでもあります。
3、ヤオイ
〇桃矢×雪兎
存在が消えかかる雪兎さんとそれを知って魔力を上げる桃矢くん。
二人の強い絆が見える場面はそこら中に転がっているので、あえて説明は割愛させていただきます。
CCさくら:まとめ
・知世ちゃん、尊い……!!
・CLAMP先生の作る世界観が日常のようでいて、すべて非日常である。
では二日間にわたりお付き合いいただき、ありがとうございました。
*ファス*